WorkNCへの一本化で、オペレータに左右されない自動CAMを構築。導入初期よりデータ作成時間を1/3まで削減!(日本)

 

"オペレータに左右されない自動化システムを確立でき、WorkNCへの一本化はコスト削減の面でも大きく貢献してくれました。"

米谷社長・グループリーダー

 
主に自動車エンジン、トランスミッション用の鋳造金型の設計・製作、一般受託解析(流動・凝固・熱伝導・熱応力・強度・中子砂充填)を行っている株式会社米谷製作所。常に、スピードに重点を置き、短納期、複雑形状、難削材などの金型設計・製作を得意とし、金型先進技術を駆使して世界の鋳造に貢献している米谷製作所を訪問しました。
 

はじめに

国内の大手自動車メーカーを納入先とする米谷製作所は、1934年に創業。主に、エンジン・トランスミッションなどの鋳造用精密金型の設計・製作を行い、高い評価を得ている。また、複雑形状・難削材・超短納期などの金型設計・製作を得意とする企業である。
同社は解析から試作加工まで一貫したものづくりをサポートしている。金型の完成度向上を図る目的で、流動・凝固・熱伝導・熱応力・強度・粒子流動といった各種解析に積極的に取り組んでいて、金型設計の段階で、型製作や造形時の問題をフロントローディングしている。得た解析結果は自社内のマシンによる検証を行い、 解析ソフト利用のスキルアップにも取り組んでいる。解析ソフトも駆使しながら金型製作を行い、金型製作だけではない金型屋ならではの型づくりがここにあると言える。

さらに、世界的な景気悪化の状況においても人員削減は行わず、規模の確保を優先し景気回復に備えてきた。リーマンショック以来1年半~2年弱、静寂しつつあった製造業も8月頃には本格的に動きだすだろうと予測された中、「信じていれば必ず復活を遂げられる!」と復活時に対応できる準備は万端である。自動化への探求心と向上心を常に持ち続け、前進している企業であることがうかがえる。 今回の訪問では、同社のモットーである「スピーディなものづくり」を支援するWorkNCが、工期短縮への取り組みにどのように有効活用されているのか。代表取締役社長 米谷強氏、生産技術課 CAM/CIMグループ グループリーダー にお話しを伺った。
 

WorkNC導入経緯

最初のWorkNCの導入は1995年10月にさかのぼる。まずは1台からスタートし、同年中に3台を追加導入。当初は、得意分野ごとに他のCAMと併用して使っていた。CAMの一本化を図ることで、常に念頭においている”スピード”への対応を行うべく、数回にわたりWorkNCを増設。2008年にWorkNCへの一本化を実現した。
また、加工効率を向上させるために、NCデータ最適化システム“NCspeed”も併せて導入。
同社が希望する自動化には課題があった。標準ファイルのみで全ての作業が自動化できれば良いのだが、複雑な形状の場合、必ずツールパス工程の追加や編集が生じる。以前は、WorkNCのツールライブラリと標準ファイルの確立がされていなかった。しかし、その二つをリンクさせるというカスタマイズを施したことが、WorkNC一本化への足掛かりとなった。
 

導入の効果

「ツールライブラリの完成により、大幅な時間削減が実現できました。何よりもオペレータに左右されない自動化システムを確立でき、WorkNCへの一本化はコスト削減の面でも大きく貢献してくれました。加工指示書の作成や標準化作業も今までの半分の時間で行えるようになりました。また、更なる加工効率アップを目指して、NCデータを最適化するために導入したNCspeedの併用により、加工品質・加工効率の向上を可能にしました。NCspeedを利用することで、工具にやさしい加工を行えるようになり、工具寿命面の延長を実現しています。近い将来、我々の開発への要望に対応していただけるとのことですので、飛躍的な加工時間向上を図れるようになると非常に期待しています。」
(米谷社長、グループリーダー)
 

WorkNCの利用状況

「CAMオペレータ全員が、同じ環境下で作業を行っているために、効率がアップしスピーディなNCデータ作成を行っています。また、WorkNCのオペレーションは編集レスに取り組んでいるため、パス設定作業はCAM作業全体の30%程度におさまっています。常に、ツールパス計算前にモデルに対して加工方法を決め込む作業に、非常に気を配って進めています。」 (グループリーダー)
 

WorkNCへの要望・今後期待すること

「WorkNCへの要望としては、高速切削に考慮した開発・機能充実をお願いしたいです。スピード第一の当社としては、100%やり直しのない加工データ作成を行いたいと考えています。また、基本的な高速切削方法にマッチングするような対応を期待しています。例えば、切削負荷が増えたときでも、スピードを落とすことで解決するのではなく、スピードはそのままで切削を続けたいと思っています。また、第一工程の荒取りの発想を変えてもらえたら非常に効率的だと思います。
全ての荒加工⇒全ての仕上げ加工ではなく、荒加工⇒仕上げ加工⇒荒加工⇒仕上げ加工といった手順を踏んでいけるようになって欲しいと考えています。また、2軸、2.5軸の自動化については、セスクワ本社R&Dでの取り組みが始まっていると聞いているので期待しています。穴あけモジュールについてもカスタマイズができて汎用性があるようにR&Dに取り組んでもらいたいです。」 (グループリーダー)

今後の展開

「金型製作を基盤に解析、また航空機、部品加工業務へも幅を広げていきたいと考えていますので、5軸対応の設備導入も検討中です。また、切削レスでものを作るラピッドプロトタイプや、他にも色々と考えています。自動車メーカーなど製造業の生産活動は新しい開発へと変化しつつあります。ものづくりは同じものを作り続けているだけではいけないと考えています。常に先を見越して、新しい開発へ進むべきです。ここ2年間の業界の冷え込みを受けて、海外進出などを考えた企業は多いと思います。もちろん、外需に対応することで儲かる仕組みは作れるかもしれません。ただ、景気には必ず波があるので、悪い時があれば、良い時もやがて来る!我々は、これからも日本に拠点を置き製造を続けていきます。長い目で見たら、企業栄えて国滅びる・・ではいけないのです。中国へ行けば、すぐに儲かる図式ができると思います。しかし、中国などの海外に出る予定はありません。皆で同じことをしても意味がないと思っています。もちろん、海外のマーケットへは目を向けていきますし、注意深く動向をチェックしていくつもりです。金型の付加価値を上げるためにも、我々はとにかく“スピード命”で考えています。例えば、中国が半額で納品するなら、我々日本は40%のスピードで挑むのみです!」 (米谷社長)

何とも心強いお言葉をいただいた。常に新しいことへの挑戦を惜しまず、世界の鋳造に貢献し続ける米谷製作所の挑戦はこれからも続く。

 

企業について

社名: 株式会社米谷製作

Web: www.yonetani.co.jp

 

 

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